現像タンクとリール
現像タンク・リール必要度 ★★★★
現像タンクとリールは、モノクロフィルムの現像するときに使う道具です。
ラボに現像を外注してしまう方法もありますが、自宅で暗室をするなら、当然フィルムも自分で現像したくなると思います。
その方が安いですしね。
ステンレスタンク
写真の専門学校などでは、まずすすめられるのはステンレス製の現像タンクでしたが、今では新品の入手が難しいかもしれません。
熱の伝導率がいいのが特徴です。例えば20℃にした水を満たしたバケツに突っ込みながら現像すれば、タンクの中も20℃に保ちやすいです。
逆に言うと、手の温度が伝わりやすいので、注意が必要です。
ステンレスタンクの場合は、上下にタンクをひっくり返しながら撹拌します。
フィルムはリールに巻いてからタンクに入れるのですが、この作業はダークバックの中で行います。
見ないでフィルムをリールに巻けるようになるまで、いらないフィルムで練習しましょう。
安いフィルムを一個無駄にすることになりますが、明るいところでの練習が必要です。
慣れれば、あっという間に巻けるようになります。
大は小をかねるので、135フィルムが4本入る現像タンクがいいでしょう。
120(ブローニー)用フィルム用のリールを使えば、ブローニーフィルムも現像できます。
プラスチック現像タンク
プラスチック製のタンクの方が初心者向きです。
LPLのプラスチック製のタンクは、オートリールといって、リールの片側をカシャカシャうごかすと、自動的にフィルムが巻かれるのでテクニックが必要ありません。
リールに巻いたときに、フィルムが少し動く余裕があるように巻けていると、成功です。
フィルムががちがちで動かないようだと、どこかでフィルムが重なってしまっていることが多いです。
重なったまま現像してしまうと、その部分が現像されず、台無しです。
撹拌はひっくり返す必用も無く、中軸を回すことでまんべんなく撹拌できます。
このタンクは135フィルムが2本まで現像できますが、フィルムの乳剤面を外側にして、二本のフィルムを一つのリールに巻いて、倍現像するという裏技(荒技?)もありますが、かなりむずかしいです。
あと、フィルムを乾燥させる荒技としては、昔は新聞社などでは、アルコール液をくぐらせて、一気に乾燥させるということもしていたそうです。
フィルムはかなり痛むようですが、どうしてもすぐに乾燥させなくてはならないときにやってみてください。
上級者には、マスコの現像タンクが現像ムラがおきにくいということで人気です。
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