フィルム現像の手順の説明。

準備

薬品は、粉のものは前日までに溶いておきましょう。

 

フィルムはリールに巻いて、タンクへ入れなくてはなりません。
現像タンク・リールのページも参照)

フィルムは、パトローネに全部巻き込んでしまわない設定にできるカメラなら、そうしておいた方が便利です。ただ、そのままでは撮影済みのフィルムかどうかわからなくなってしまうので、フィルムを折り曲げておいた方がいいです。

 

巻き込んでしまわない設定ができないなら、ベロ出しという器具を使ってパトローネからフィルムをひっぱり出します。パトローネを破壊する方法もあります。
フィルムは先頭から5センチくらいの位置で、垂直に切っておきます。

 

ダークバックにフィルム、リール、タンク、タンクの蓋、ハサミを入れて、ファスナーを閉じます。

 

腕を入れる部分からドライヤーで冷風を送って、膨らませておくと作業がしやすいです。
だんだんしぼんできますが…。

 

フィルムをリールに巻いて、タンクに入れて、蓋をしめたらファスナーを開けて大丈夫です。

 

タンクの蓋は、途中で外れてしまわないようにテープで止めておきましょう。

希釈現像

ここでは希釈現像で話を進めます。
現像液は、一度使うと処理能力が落ちていくので、それを補うために、現像時間を延ばしたり、補充液を足したりするのだけれど、それがとても面倒です。

 

常に新液を使って、その都度捨ててしまえば問題は解決るすけれど、経済的でないし、環境にも悪い。

 

そこで考えられたのが、現像液を希釈(水でうすめる)して、使い捨てにするという方法。
現像液と水を1:1で混ぜる方法が一般的です。

 

希釈現像の効果としては、仕上がりの均一化の他にも、現像時間が長くなることにより、エッジ効果が上がり、鮮鋭度が増すと言われています。現像ムラにもなりにくくなります。
逆に欠点は、亜硫酸ナトリウムの濃度が薄くなって、粒状製が悪くなると言われているけれど、ほとんど問題ありません。

 

1+1で希釈した場合には、希釈していない場合よりも30%現像時間を延長します。

 

 

希釈現像液をつくる

前日までに溶いた現像液を、現像に必要な量(LPLの4本のリール用ステンレスタンクなら900cc)の半分(450cc)メスカップに注ぎ、同量の水を混ぜて、900mlにする。

 

このとき、一般的な処理温度の20℃になるように、現像液の液温に対して、水の温度を調整しておくと混ぜるだけで20℃になるので便利。
現像液が18℃なら、22℃の水をませれば20℃になる。

寒い場合には23℃の水を混ぜれば、混ぜてるうちに20℃くらいになるし、熱い場合には、水の温度を1℃下げておくといい。

 

混ぜてから、メスカップを湯銭したり、水につけたりして温度を調節するのもいいと思います。

現像・停止・定着

現像液の注入・攪拌

温度調節用に、バケツに20℃の水を満たしておきましょう。

 

フィルムの入ったタンクに希釈現像した現像液を注入します。
時計をスタートさせると同時に、注入を開始。できるだけ速やかに。

注入し終わったら、3センチくらいの高さからタンクを落下させる感じで、流しなどに2、3回打ちつける。
これは、フィルムについた気泡を取り除くため。

タンク全体をいろいろな方向へ振ったり回したり転倒させたりして連続的に攪拌。
連続攪拌は、時計をスタートさせてから60秒間。(注入の時間も入る)

60秒経ったら、25秒間タンクを静止する。
このとき、温度調節用のバケツの水の中に突っ込んでおくと、気温による温度変化を抑えられる。

水位が蓋よりも高いと、水がタンク内に入ってきてしまうので注意。

 

25秒経ったら、5秒間攪拌。
そしてまた25秒静止。

 

これを、現像終了の30秒前まで行い、30秒前から現像液の排出を開始します。

 

停止液の注入

停止液の注入が、現像の終了となります。
希釈現像の場合、停止液は水(20度の水)で行ってかまいません。

注入終了と同時に、排出を開始。注入から排出終了まで60秒。

 

定着

定着液は希釈しません。
現像液と同様に、連続攪拌60秒、25秒静止、5秒攪拌、25秒…を行います。

定着液は、現像液ほど温度に神経質にならなくても大丈夫です。
使用した定着液は捨てずに回収します。

薬品のラベルに書いてある処理能力の半分くらい利用したら、新しい定着液にすれば安心です。

 

 

 

水洗・乾燥

水洗作業

定着液を排出したら、タンクのキャップを外して、ちょろちょろと流水を注いで水洗。
一度満たしたら、水を全部捨てて、また水を入れる。そしてまた捨てる。

水洗促進剤を注いで、2分間維持して、水洗促進剤を回収。
また何度か水でゆすぎ、ちょろちょろした流水で5分程度水洗を行う。

 

この作業も基本的には液体の温度はすべて20℃で行う。
ただ、冬などは流水の温度がとても低いので、徐々に水の温度がさがっていくような工夫が必要。

(20℃の水で満たしたタンクに、15度の水を少しずつ足していくなど)

 

急激に温度の低い水にフィルムをつけると、表面にちりめん状にしわができてしまう場合があります。

 

水道水が直接フィルムに行くことになるので、フィルターなどを蛇口につけて、水垢やゴミなどがタンクに入らないようにしましょう。

 

乾燥

濡れたフィルムには、ゴミがとてもつきやすいので、なるべくホコリの無い場所で乾燥しましょう。
フィルムクリップを上下に付けて吊るします。

トイレなどを閉め切って乾燥するのもいいでしょう。

 

乾燥ムラを防ぐため、フジのドライウェルなどの水滴防止剤に浸してから乾燥させましょう。
専用のスポンジで水分をふき取ると、乾燥時間が短くて済みます。

 

フィルムの現像をいそぐ新聞社などでは、水洗を終えたフィルムを、アルコールに通すことでいっきに乾燥させるという方法も行っていたようです。

 

携帯電話も、水没させてしまったら、無水エタノールに浸して乾燥させると復活するそうです。