ダークバッグ(チェンジングバッグ)

ダークバック必要度 ★★★★★

 

ダークバッグは、チェンジバッグや、チェンジングバッグとも言われ、主にフィルムを扱うときに使う黒い袋です。

 

フィルムは印画紙よりも感度がかなり高いので、ほんの少しの光でも当てるわけにはいかないんです。

 

フィルムを現像するときには、リールに巻いてタンクに入れますが、このときに感光しないようにダークバックの中で行います。

 

真っ暗な袋の中に、腕をつっこんで作業します。
洋服の袖のような腕の挿入口が2つあり、腕を入れるとゴムで締まるので光は入りません。

 

4×5のホルダーにフィルムを装てんするときにも使われます。
折りたためるので、4×5の撮影のときには持って行く場合もありますし、なんならカブリ代わりにされることもあります。

 

塩ビのパイプで骨組みをつくって、中に入れると、ダークバックがつぶれずに、フィルムを扱いやすくなります。
骨組みを使わなくても、ドライヤーなどで空気をいれて、ふくらませて、すばやく腕を入れて、空気が抜ける前に、フィルムをリールに巻いてしまうという方法もあります。

 

 

エツミのチェンジングバッグにはSやMなどのサイズがあります。
大は小をかねるので、大きい方を買うと良いでしょう。

 

トイレなどを完全暗室にできるのであれば、無くても大丈夫かもしれませんが、現実的に、ダークバック無しでは、昼間はきびしいと思います。

 

夜中であれば、部屋中の電気を消して窓の無いトイレや浴室でなら、フィルムを扱うこともできるでしょう。

 

そうする場合は、暗くして10分程度その場で目を慣らしてみてください。
真っ暗だと思っていたのに、光の漏れてくる場所が見えるようになるでしょう。

 

パーカーで代用?

ダークバックの代わりに、黒いパーカーを使っているという方をみつけました。

 

ただ、単にパーカーだけではなく、上に掛け布団、毛布を被せています。
さらに部屋も暗くしています。

 

これだけやれば、フィルムも感光しないでしょう。

 

ただ、布団をのせているので手を動かせる空間が狭いのがデメリットでしょうか。
この方は半自動でフィルムを巻けるプラスチック製のリールを使っているので、そこまで空間がなくても大丈夫なようです。

 

手動で巻く場合には、中に小さな段ボールを入れるなどして空間を確保するといいでしょう。

 

ダークバッグの代用|ta.1970|note
https://note.mu/ta1970/n/naceb20b56e33

 

注意すること

穴が開いてしまうと、光が入ってしまうので、きちんと袋に入れておいておきましょう。

 

丁寧に毎回決まった折り方をしていると、決まった場所が痛んできて、穴があいてしまうことがあります。
ダークバックはくしゃくしゃにして置いておくのが、実は一番いい保管方法です。

 

また、腕を入れる袖部分のゴムが伸びると、隙間ができてそこから光が入ってしまいます。
ちゃんときついくらいにしまっているか確認してください。

 

もしゆるくなってきたら、ヘアゴムなどで補助すれば大丈夫です。

チェンジングテント

チェンジングテント必要度 ★★

 

ダークバックではやりにくいという場合には、チェンジングテントというのもあります。
その名の通り、テント状になっていて空間が保たれるので、使いやすいです。

 

折りたためばけっこう小さくなるので、車での撮影旅行や、海外への撮影などでは便利です。

 

チェンジングテント

 

チェンジングテントは、ダークバックがあれば、絶対に無くては困るというものではないかもしれませんが、8×10のフィルムを装填するなどの作業ではあると便利です。

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