自宅暗室の注意点
窓の多い角部屋は暗室には不向きです。
自宅に暗室を作る場合の注意点をいくつかピックアップしました。
遮光
やはり一番大事なのは遮光です。
印画紙の場合、完璧に暗室にできなくても、ダークカーテンの隙間からちょっとくらい光がもれていても、意外と大丈夫ですが、それは暗室にけっこう居て、目がなれてきてやっと気が付くくらいの光の場合です。
最初から光が漏れてるのが分かるようなら、対処しましょう。
印画紙の上に10円玉を10分とか置いておけば、それを現像して、被っていないかテストすることもできます。
10円玉の輪郭がわかれば、どこかから光が被っている証拠です。
セーフライトが近くても印画紙は感光してしまいます。
セーフライトの光といっても、あまり明るくしすぎないようにしましょう。
引き伸ばし機の近くの壁が白かったら、黒い紙などで覆った方がいいかもしれません。
セーフライトの光や、露光中の光が反射して、印画紙へ影響を与える可能性があるからです。
現像処理中は、印画紙の乳剤面を下にしてカブリを防ぎましょう。
角部屋など窓の多い部屋しかない場合は、昼間をあきらめて夜に限定するのもひとつの方法です。
液温の管理
液温の管理も重要なポイントです。
RCペーパーの場合はそこまで神経質になる必要はありませんが、温度が変わると濃度やコントラストが変わってしまいます。
夏や冬には、それぞれ工夫が必要です。
エアコンで部屋の温度を一定(20度など)に保つのが基本的な対策になります。
恒温器などを使うのもいいですが、ペットボトルを利用すると、手軽に温度管理ができます。
夏はペットボトルに水を入れて、凍らせておきましょう。
バットに直接ペットボトルを入れても、氷とちがって、現像液がうすくなりません。
冬は、ホット用のペットボトルにお湯を入れて使えます。
熱帯魚用の水槽を保温するヒーターを使っている人もいますが、素材によっては現像液のアルカリで溶けて漏電する可能性があります。
水槽用のヒーターは、あくまでも魚の生きられる水中での使用を想定したものです。
現像液に入れて使ったために、感電死なんてことになったら大変です。
換気
暗室は薬品を使うので、臭いも出ます。
普通の換気扇だと、昼間は外からの光が入ります。
暗室用の換気扇(外から光が入らない)もありますが、ときどき窓を開けるなどで換気してやれば特に問題は無いと思います。
もしも頭痛などがするようなら、専用の換気扇の導入も考えてください。
また、イオンの発生する空気清浄機などは、薬品が変質する可能性があるそうなので一応止めておきましょう。