スプリット・グレード・プリント法

マルチグレード(多階調)印画紙で、簡単にハイライトからダークグレーまでを階調豊かにプリントするというテクニックが、スプリット・グレード・プリント法です。

 

焼きこみも覆い焼きも使わない手法で、海外ではよく使われているテクニックです。

 

多階調印画紙は、号数フィルターを使うことでさまざまなコントラストの写真をプリントできます。
このとき、焼きこむ場所によって、号数フィルターをいろいろと変えている人も多いと思います。

 

スプリット・グレード・プリント法は、部分的ではなく、全体で号数フィルターの違いを利用する方法なのです。

 

具体的には、00号フィルターで、ハイライトが綺麗に出るような露光秒数を求め、5号フィルターでシャドウが綺麗に(黒がギリギリつぶれない感じ)なるような露光秒数を求めます。

 

そして本番は、00号で露光した後に、5号でも露光します。
これだけで、ハイライトからシャドウ部までが豊かに再現できるのです。

 

黒すぎたら、5号の露光秒数で調整します。

 

簡単に言えば、眠い(コントラストの弱い)写真と、硬い(コントラストの強い)写真との合成写真です。
ちょっと違いますが、iPhoneのHDR(ハイダイナミックレンジ)機能と似た効果が得られます。

 

適正露出からややずれてしまったネガからも、ある程度綺麗なプリントをつくることができるというメリットがあります。

 

スプリット・グレード・プリント法の応用として、普通にプリントしているときに、プリントの黒のしまりがイマイチだったら、5号で少し露光をかけてしまうという手抜き?手法もできますね。

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副露光
副露光で、白飛びする部分に少し色を載せることができます。